脳梗塞・心筋梗塞の機能回復、再発予防

「水素ガス吸入療法」による早期機能回復、再発予防

 2016年12月9日、世界で初めて、「水素ガス吸引」が先進医療B33

(jRCT登録ID番号:jRCTs031180352/2020.8.9現在)として厚生労働省に認可されました。

 適応症は、脳梗塞、心筋梗塞

 ”心停止後症候群(院外における心停止後に院外又は救急外来において自己心拍が再開し、

 かつ、心原性心停止が推定されるものに限る。)”

 少し難解な表現ですがわかり易く言えば、

 自発呼吸が出来る様になった脳梗塞、心筋梗塞の患者様に集中治療室で18時間 2% 濃度の水素添加酸素を人工呼吸器下に吸入する。

 ことが出来るようになったということです。

 効果:慶應義塾大学病院 救急科

①後遺症の軽減、機能回復

②血栓の増加抑制

水素と抗血栓に関する論文:

(1)射場敏明:グリコカリクスが関与する血管内腔の抗血栓性とその障害。血栓止血誌。2016; 27(4): 444-449.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsth/27/4/27_444/_pdf
(2)1.2% Hydrogen gas inhalation protects the endothelial glycocalyx during hemorrhagic shock: a prospective laboratory study in rats.
Sato T, Mimuro S, Katoh T.et al. J Anesth. 2020 Apr;34(2):268-275.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31997005/?from_term=hydrogen+glycocalyx&from_pos=6
(3)Tamura T, Sano M, Matsuoka T, et al. Hydrogen gas inhalation attenuates endothelial glycocalyx damage and stabilizes hemodynamics in a rat hemorrhagic shock model. Shock. 2020; in press.

 要 旨

「 主に脳の機能に焦点を当てて、心停止になった時の脳の酸素不足のダメージを水素によって軽減しようとするものです。

 これによって、心停止後症候群から回復して社会復帰を果たす方が増えることを期待しています。

 また、水素吸入療法は世界初の治療法です。

 この技術が確立されれば、心停止後症候群以外の病状にも応用が容易になります。

 水素吸入自体には、大掛かりな装置は不要ですので、簡便に効果的な治療が行えるようになります。まさに画期的な治療です。」

 

 脳卒中は一般的に発症後 時間経過と共に機能回復効果は大幅に低下します。

 水素ガス吸入療法の事例として、個人差もありますが発症から2~3年後に療法開始し、

 約1年間かけて機能回復された方もいらっしゃいます。

 資料をホームページに掲載することは出来ませんが、来店頂ければ資料提供は可能です。

 また、2度目、3度目の脳卒中の再発予防にたくさんの方が使用されています。

 

脳・心筋梗塞、リハビリ開始時期で機能回復に大きな違い

 脳梗塞や脳出血をはじめとする脳卒中のリハビリテーション(以下、リハビリ)は

 3つの時期に分けて実施されます。

 発症から約2週間までが 急 性 期 です。

 通常この時期からリハビリを開始致します。

 発症から3~6ヶ月までが 回 復 期 です。

 リハビリ専門の病院に移って訓練を行います。

 退院後が 生 活 期( 維 持 期 )です。

 患者さん本人の希望や症状に応じ、介護老人保健施設などに入所、

 あるいは自宅にてリハビリを継続します。

 

 

 

 

 

 

(出典:Indredavik B,et al. Stroke. 1991)
脳卒中ユニットの利点:ランダム化比較試験。
Indredavik B 1 、 Bakke F 、 Solberg R 、 Rokseth R 、 Haaheim LL 、 Holme I。

著者情報

1
ノルウェートロンハイム大学病院医学科。

 

 

 

上記論文の 概 要

 無作為化比較試験では、急性期脳卒中患者110例(脳卒中1例、110例)の臨床転帰を比較した。

 性別、年齢、婚姻状態、病歴または入院時の機能障害に関して、これらの群の間に

 有意差はなかった。

 結果は、脳卒中後6週および52週に、家庭における患者の割合、施設内の患者の割合、死亡率、

 および機能状態によって測定された。 6週間後、脳卒中ユニットに無作為化された患者の

 56.4%および一般医学病棟に無作為に割り付けられた患者の32.7%が

 自宅にいて(p = 0.0004)、52週後にそれぞれ62.7%および44.6%が

 自宅にあったp = 0.002)。

 6週間後、脳卒中ユニット患者の36.3%および一般医療病棟の50.0%が

 施設内にあった(p = 0.02)。

 52週後、それぞれ12.7%および22.7%が施設化された(p = 0.016)。

 6週間後の死亡率は、発作単位群では7.3%であり、一般医療病棟群では

 17.3%であった(p = 0.027)。

 52週後の死亡率は、脳卒中ユニット群で24.6%、一般医療病棟群で32.7%

 (有意差はなかった)であった。

 機能状態は、6週間後および52週間後の脳卒中ユニットで治療された患者の方が

 有意により良好であった。

 我々は、脳卒中単位の急性脳卒中患者のケアは、一般的な医療病棟における

 治療と比較して臨床転帰を改善すると結論する。

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